酸ヶ湯温泉(2020.09.02~5撮影)    

青森市の中心部からバスで1時間ほどの標高が900mほどの高地にある酸ヶ湯温泉は、八甲田山系の火山活動が起源となっている温泉で、PHが2.0を切る強い酸性の温泉です。
温泉大好きの私ですが、ここのところ温泉地を訪れていなかったので久しぶりに3泊ほど温泉の旅に出かけてみることに。
酸ヶ湯温泉は、江戸時代前期の貞享元年(1684年)の開湯と伝承されており、山奥にある温泉としては湯治場として訪れる人が少なくなかったようです。
酸ヶ湯温泉の名物は、総ヒバ造りの「ヒバ千人風呂」で、「熱の湯」と「四分六分の湯」名付けられた160畳もある大きな浴槽に、湯滝(「打たせ湯」)があり、脱衣所は別ですが、混浴となっています。
とはいえまるっきりの混浴ではなく中央に仕切りがあって男女が別々に入ることとなっており、1日に2度女性専用時間が設けられています。
湯温は源泉で48~64℃ですが、浴湯では42~44℃となっています。
この酸ヶ湯温泉は、群馬県の四万温泉、栃木県の日光湯元温泉とともに昭和29年(1954年)に国民保養温泉地第1号に指定されています。
 
 
 
   
   
   
  「ヒバ千人風呂」の入口
当然のことながら浴室内は撮影禁止ですが、中には「撮影禁止」の張り札がありますので、禁を破って撮影する人もいるようです。
 
 
   
     
   
  版画家の棟方志功は酸ヶ湯で湯治をしながら作品を彫っていたとのことで、「神舞閣」と名付けられたギャラリーには、棟方志功、山下清、大町桂月の作品などが飾られています。
 
 
   
     
   
  辰五郎清水
駐車場のそばにあるこの湧き水は、酸ヶ湯温泉で働きながら八甲田山登山で遭難した多くの人の救助に当たった鹿内辰五郎さんの名がつけられています。
 

酸ヶ湯温泉のそばに地獄沼や賽の河原などがあるので歩いて行って見るることに。片道10分くらいのようです。
 
 
   
  日本山脈縦走起点
酸ヶ湯温泉から十和田湖方向に歩きだしてすぐのところに八甲田山登山口があります。その左横には刻まれた文字がかすれていますが、「日本山脈縦走起点」との木碑があります。
この碑は、昭和の半ばに、北はここ八甲田山から、南は山口県の秋吉台から同時に歩き始めて富士山で交流するというイベントが行われた。その北の出発点であったようです。
 
 
   
  東北大学植物園八甲田山分園
仙台にある東北大学の植物園の分園で、中には貴重な植物があるとのことですが、出かける前にメールしたところ、「コロナ騒動で学校自体も休講中で、当植物園も臨時閉園しています。再開の目処どはたっていません。」とのこと。残念‼
 
 
   
  火山現象跡地
東北大学植物園八甲田山分園と国道103号線を挟んで反対側のところにあるこの火山現象跡地は、八甲田山が火山として活動していたころの跡で、そばによると硫黄の匂いがし、ときどき火山ガスも噴出しているようでした。
 
 
   
   
 



地獄沼

その名の通り魚も生息できない強酸性の沼で、別名を「底なし沼」ともいい、約8000年前の八甲田山の火山活動によってできた火口湖(面積約4,500㎡)です。現在も湯温90度で毎分2,700ℓ湧出しているとのことです。
 
      
 
   
   
地獄沼のそばにある道しるべで「まんじゅうふかし」とあるのを発見、いって見ることに。砂利道を歩いてすぐのところには「賽の河原」があります。
 
 
   
  賽の河原
本来の「賽の河原」は、三途川の河原のことをいい、親に先立って亡くなった子供が、その親不孝の報いで苦を受ける場とされるところで、その子供たちが親の供養のために積石塚または石積の塔を完成させると供養になるといわれていました。
「賽の河原」と呼ばれるところは、青森の恐山、佐渡島の二ツ亀、栃木県の那須など全国各地にあります。
ここ、酸ヶ湯の賽の河原は少し規模が小さいですね。
 
 
 
 
河原の奥に地蔵さんが置かれているのでそばに行こうとしたら、ときどき、「シュッ」というような音が聞こえてきます。はじめは何か生き物がいるのかなと思い辺りを見回しましたが何もおりません。
音がすると硫黄臭もしますので、どうやら小さな噴気孔から火山ガスが噴出されているようです。
 
 
 
 


金精堂

小さな祠です。そばには湧水もあったとのことですが、今は涸れて出ていません。
      
 
   
  まんじゅうふかし
四阿(あずまや)に木製のベンチが二つ置いてあります。触ってみるとほんのりと温かくなっています。
この「まんじゅう」という言葉は津軽弁で女性の象徴を表す言葉で、「ふかす」は「蒸す」の意味があることから、この椅子に座ると、女性が下半身を温め、腰痛、冷え性、婦人病などにたいする温浴効果が期待できるとのことです。
 
 
   
     
 
 
ナナカマド   コオニユリ
 
     
     
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