カンペール(Quimper)
 
ケルト民族系のブルトン語で合流地点という意味合いがあるカンペールの街は、オデ川とステル川が合流するところにある街で、先史時代からの石器が発見されており、紀元前2世紀から1世紀と推測される集落跡も発見されたという歴史があり、現在は残っていないもののローマ時代の年も存続していたと考えられていて、ケルト文化の街並みが残るところです。
また、街では17世紀の終わりごろから陶器の生産が行われ、手書き絵付け陶器で有名な『カンペール焼き』が有名です。
 
   
  カンペールの街に着いてバスを降りたところはレジスタンス・エ・デュ・ジェネラル・ド・ゴール広場(Place de la Résistance et du Général de Gaulle)です。
なんで広場にド・ゴール大統領の名前がついているのか調べたところ、この場所で1969年の2月2日に「上院改革と地方分権に関する国民投票」を提案した場所で、投票の結果この提案は否決されて辞任に至ったという場所のようです。
 
 
   
  ブルターニュ民族博物館(Musée Départemental Breton)
サン・コランタン大聖堂に併設されている県立の民族博物館で、ブルターニュ地方の伝統的な工芸品や家具、民族衣装や古いカンペール焼きなどが展示されています。

 
 
   
  フィニステール県庁舎(L'hôtel de préfecture du Finistère)
オデ川沿いに建てられているこの県庁舎は1909年に建てられたものですが、官公庁の建物というよりホテルのような感じです。
 
     
 
 
聖コランタン大聖堂(Saint Corentin Cathedral)
高さ80mの2本のゴシック様式の尖塔を持つこの大聖堂はカンペールのシンボルともいえる建造物で、サン・コランタン大聖堂あるいはカンペール大聖堂とも呼ばれており、13世紀の半ばから建設が始まりましたが、途中16世紀に大火災が発生しており完成に至ったのは19世紀に入ってからです。

 
       
 
 
   



外からは判りませんでしたが、大聖堂内に入ってみると廻廊が少し曲がっています。
写真で見ても中央部分から奥が左方向に曲がっているのがわかりますが、なんでも地形に合わせたことで曲がって建てられたとか。
ヨーロッパを訪れた際にはよく教会の内部に入りますけどこのような構造の教会は初めてです。
      
 
      




聖コランタン大聖堂を出て道を歩いていると帆立貝のマークが埋め込まれています。
このマークは「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の道標として用いられているもので、巡礼路のコースはいろいろありますが、調べてみるとイギリスのプリマスを出発してここカンペールを通る
ルートもあるようです。
 
     
 
   
  サン・コランタン広場
左側の建物はカンペールの市庁舎で、中にはカンペール美術館(Musée des Beaux Arts de Quimper)が併設されており、ポン・タヴェン派の絵画を中心に15世紀以降の絵画が展示されています。

 
 
 
 



ルネ・ラエンネック像

サン・コランタン広場の一角に置かれているこの像は、1781年にカンペールで生まれ聴診器を発明したルネ・ランエック(ルネ=テオフィル=ヤサント・ラエンネック René-Théophile-Hyacinthe Laennec)の像す。
ラエンネックは法学者である父の反対を押し切って医学を学び、当時患者の胸に直接耳を当てて診察する「直接聴診」では、若い女性の場合問題も多いし、肥満体の場合脂肪がつきすぎて聴聞できないといったことで、子供が中空の棒を用いて遊んでいたことからヒントを得て、聴診器を使うことを思い付き、これが聴診器の開発となりました。
ただし、当時の聴診器は片耳だけで聴く方式であり、両耳を用いる聴診器の開発はラエンネックが論文を発表してから33年後の1852年のことです。
また、ラエンネックは、腹膜炎や肝硬変の解明にも貢献しています。
 
      
 
 
 
旧市街の中心となるケレオン通り。この街もコロンバージュの家並みが続いています。

 
     
   
  どの家もイギリスのチューダー様式同様に、1階よりも2階、2階よりも3階が道路側にせり出しています。  
     
   
  この通りの左側の家は2軒とも4階建てですから、せり出している部分は1階より1m以上せり出していますよね。おまけに手前の家の3階、3階部分の壁には、普通では屋根に用いるスレートが用いられています。  
     
 
ルトレット庭園(Jardin De La Retraite)

旧市街の中心部から少し北にある庭園ですが、16世紀に世界各地から持ち寄られた様々な植物が植えられています。
時間があまりないのでとりあええず見たこともないこの花を撮って帰国後調べたところ、スペインはカナリア諸島原産のエキウムピニナナという花であることがわかりました。エキウムピニナナは3mから4mにも成長して巨大化するムラサキ科のエキウムの品種で、小さくて白い無数の花が咲いています。
 
 
 
 
ルトレット庭園の先(北側)に何やらお城の監視塔らしきものがあるので行ってみることに。
トゥルビ広場というところにあるミドルスクールの角にあり、Tour D'auvergneとGoogleマップで表示されます。塔の横には古い城壁と思しきものが続いていますが、残念ながら調べても情報が出てきません。
 
   
 マップ
 
 
     
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