ラ岬とポン・タヴェン  
     
  ラ岬(Pointe du Raz)

ブルターニュ半島にあって景勝地として知られるラ岬、カンペールの街から約1時間で到着します。この岬はフランス最西端とも紹介されているところですが、実際の最西端の地は、この地より50km以上北にあるコルサン岬(pointé-de corsen)が最西端の地です。 とはいっても着いたところは周りに何もない荒涼とした大地です。
因みにラ岬は西経4.729452度で、コルサン岬は西経4.793336度です。
 
   
  Googleマップで調べるとこんな感じです。  
     
   
  岬にあるインフォーメーションセンター
ほとんど訪れる人もいないようでひっそりしています。
 
     
 
 
 
  インフォーメーションセンターから岬の先端まで約1.4km、歩いて15分ほどかかります。  
     
   
  道の両側にはハマカンザシが群生しています。ハマカンザシ(浜簪)はイギリス原産の海岸に多く咲くイソマツ科の花で、アルメリア(Armeria maritima)というのが正式な名称のようです。
奥にうっすらと霞んで見えるのはヴァン岬(Pointe de Van)です。
 
     
   
     
 
 



こちらが灯台と思っていましたらどうやら軍の施設のようです。Googleマップでは「Phare de la Pointe du Raz」とあって「Phare」は灯台と訳されるのですけど、ぐるりと回ってみてもどこを見ても燈台の光源の部分が見当たりません。
塔にはアンテナばかりですので、どうやら信号を送る施設のようです。
 
     
 
 
岬の先端にマリア像(Notre-Dame des Naufragés)があります。難破で亡くなられた人を慰霊するために1904年に設けられたもので、毎年7月の最後の日曜日に慰霊祭が行われています。
 
     
   
  マリア像から岬の先端に向かって歩くと海上に灯台が見えます。ヴィエイユ灯台(Phare de la Vieille)です。燈台は19世紀の終わりに岬から約1.5kmの所に建てられました。
岬と灯台の間は海流が早いようで渦を巻いており、白波も見えています。
写真の下側に赤いものが見えますが、どうやらこの先まで道も続いていて岬の先端まで行くことができそうですけど、がれ場となっており一歩足を踏み外せばそのまま下まで落ちてドブンとなりそうです。
 
     
   
  エニシダ(Cytisus)
地中海原産のマメ科の植物で、薬草にもなるようですけど毒性のあるアルカロイドを含んでいるので注意が必要です。調べていてわかったのですが、西洋ではこのエニシダの枝で箒を造っており、あの魔女がまたがって空を飛ぶ箒もこのエニシダからできているとのこと。
 
 
   
  アザミ(薊)  
     
  ラ岬で写真を撮ったのちに次の目的地ポン=タヴァンに向けて出発し、途中カンペールのレストランで昼食を採り午後2時過ぎにポン=タヴァンに到着です。
 

ポン=タヴァン(Pont-Aven)
 
   
     
 
 
       




街の中の観光は後回しとして、まずはトレマロ教会(「トレマロ礼拝堂」とも表記されています。)に。
雑木林の中を歩くこと約5分、トレマロ教会が見えてきます。
トレマロ教会(Notre-Dame de Trémalo)は15世紀に創建されたカトリックの教会で、現在の建物は19世紀にゴシック様式で再建されたもので、当時ポン=タヴァンに住んでいた画家たちによってよく描かれていました。
 
 
     
   
  入口側も裏側もちょうど見頃の紫陽花の花に囲まれています。  
   
     
   
  教会の中にはゴーギャンが描いた『黄色いキリスト』のモデルとされているキリストの像があります。象の両側には思わず吹き出してしまいそうなユーモラスな顔をしたレリーフ像なども掲げられています。  
     
   
  シデの並木道
教会のそばにある200mほどの並木道で、木肌が白っぽく一見白樺のように見えますが、シデ(「四手」または「椣」と書きます。)同じカバノキ科の植物です。

  
教会からポン=タヴァンの街に戻り、各自自由散策です。
 
 
 
 



ポン=タヴァンは、ブルターニュ地方の西部にあって鉄道も通らない人口が3000人にも満たない小さな村です。
村の中を太西洋に流れ込むアヴァン川が流れている村で、「フランスの最も美しい村」の一つとなっているところです。
この村には19世紀の終わりごろから画家たちが移りはじめ、村にあるマリー・ジャンヌ・グロアネックの宿(pension de Marie-Jeanne Gloanec)に滞在して生活していたことから、「画家たちの街」と呼ばれており、現在でも海外からここに移り住み創作活動を続けています。
ここで生活する画家たちは昔から「ポン=タヴァン派」と呼ばれ、夏の観光客相手に展示会が開催されるということです。
      
 


マリー・ジャンヌ・グロアネックの宿の壁には、この宿に滞在したポール・ゴーギャン(Poul Gauguin)のレリーフ像があり、下の石碑には多くの画家たちの名前が刻まれています。


エミール・ベルナール(Émile Bernard)
シャルル・ラヴァル(Charles Laval)
ポール・セリュジエ(Paul Sérusier)
シャルル・フィリジェ(Charles Filiger)
アンリ・モレ(Henry Moret )
エルネスト・ド・シャマイヤール(Ernest Marie Felix Ponthier de Chamaillard
)

といっても、あまり絵心のない私には知らない名前ばかり刻まれています。
 
     
 
 
グザヴィエ・グラル(Xavier Grall)の散策路
アヴァン川沿いにある小道は「グザヴィエ・グラルの散策路」と呼ばれていて、ノンビリ歩くにはもってこいの道となっています。
グザヴィエ・グラルは詩人、ジャーナリストですがXavierを英語読みすると「ザビエル」になるんですね。
グザヴィエ・グラルのレリーフ   川沿いの古い洗濯場
 
     
 

 
 



聖ジョセフ教会(St Joseph's Church)

19世紀の末に建てられた教会で、エミール・ベルナールの絵画が展示されています。
 
   
  水車のあるレストラン
アヴァル川の水流を利用した水車小屋が14ヶ所もあり製粉業で栄えていたポン=タヴァンですが、今はほとんどが取り壊されており、ゴーギャンが描いた「ポン=タヴァンの水車小屋」はここにあった水車小屋を描いたものです。
 
 
   
  アヴァン川の風景  
   
アヴァン川の風景
 
     
     
     
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コルサン岬

ラ岬