草津温泉(2021.11)撮影.

群馬県吾妻郡草津町にある草津温泉、伝説ではヤマトタケル(日本武尊)が開湯したとの説もあるようですが記録は残されておらず、この他にも奈良時代の中期に僧行基による開湯説、鎌倉時代の源頼朝による開湯説などの古い歴史のある草津温泉ですが、記録として残されているのは1472年(文明4年)とのことで、戦国時代には草津や白根で採取した硫黄を戦国大名に送ったとの文献もあるようです。
温泉の湧出量は毎分32,000ℓ以上あって日本一の自然湧出量を誇り、兵庫県の有馬温泉、岐阜県の下呂温泉とともに「天下の三名泉」あるいは「日本三名泉」として知られているところです。
温泉大好きな私ですが、ここのところ温泉らしい温泉に入っていなかったので訪れてみました。
草津温泉の泉質は酸性泉が基本で、源泉によっては硫黄泉もあるとのことで、pHは2.0程度と酸性度が高く殺菌効果が大であり、糖尿病、神経痛、皮膚病の人たちが温泉療養で訪れています。
 
 
   
      
 



温泉街の中心にあるのが、よく知られている湯畑(ゆばたけ)です。この施設は50~95℃前後の高温で噴出する源泉の温度を、加水することなく自然に低温化するための施設で、湯の花を採集する施設ともなっています。
上の写真の右側の木枠に囲まれたところは、「「御汲上の湯」と呼ばれており、八代将軍吉宗や十代将軍家治の時代に、この枠内の湯を汲み上げて樽詰めにして江戸まで運ばせた名残だそうです。
草津の湯はその昔豊臣秀吉、豊臣秀次、前田利家、徳川家康等も入湯しているとのことです。
湧き出た源泉は木樋(写真中央部)を通って湯滝(下の写真)に流れます。
 
      
   
     
   
     
   
  熱乃(ねつのゆ)湯
高温で自噴する温泉の温度を下げるために、加水したのでは温泉の効果が薄れてしまうため考え出されたのが「湯もみ」です。それ以前は、高温の湯を集団で同時に入り、同時に上がるという入浴方法や「時間湯」で入浴されていたとのことですが、現在は温泉地内の2ヶ所の湯で行われています。
熱の湯では1日に数回湯もみのショーが行われており、「草津よいとこ一度はおいで・・・」で始まる草津節を歌いながら湯もみが行われています。
 
 
   
     
   
     
   
  湯畑のそばにある白旗の湯は、源頼朝が発見したと伝えられており、源泉内には頼朝を祀った石祠(下の写真の左奥)があります。
かつては御座の湯と呼ばれていましたが、その後源氏の白旗に因んで「白旗の湯」と呼ばれるようになったとのことです。
泉質は強酸性で、草津では唯一白濁した湯で源泉の温度は約50℃あり、10軒ほどの湯度に引湯しています。
 
 
   
     
 
 
湯畑の西側には西の河原通りがあり、この通りを歩いてゆくと西の河原公園があります。
   
 
  西の河原公園内にはあちこちで温泉が湧出しており、湯煙の中を散策したり、足湯に浸かってのんびり過ごすことができます。
 
 
   
   
   
   
   
     
 



鬼の茶釜碑
 
碑には「わき出る湯口はわれもおそろしや鬼の茶がまの湯土産噺」と刻まれていますが、かつてはここ西の河原の代表的な源泉であったそうで、茶がまが沸騰するような音を立てて湯が噴き出ていたとのことですが、今は見る影もありません。
 
 
   
     
 



エルヴィン・ベルツ像(左)とユリウス・スクリバ像(右)

エルヴィン・ベルツは、正式な名前をエルヴィン・フォン・ベルツといい、ドイツ生まれの医師で明治の初めにお雇い外国人として来日。27年間にわたって日本の西洋医学の発展に貢献するとともに、草津温泉の効能を世界に紹介した人で、蒙古斑の命名者でもあります。
ユリウス・スクリバは、正式な名前がユリウス・カール・スクリバといい、1881年(明治14年)に来日し東京帝国大学(現 東京大学)で外科・皮膚科・眼科などの授業を行い、日本の西洋医学の発展に寄与した人です。
 
 
 
 
水原秋櫻子の句碑
ベルツ博士の像のそばにあるこの句碑は、ベルツ博士の遺徳を偲んで詠まれたもので、碑には「胸像は 永久に日本の 秋日和」と刻まれています。
 
斎藤茂吉碑
草津を愛した斎藤茂吉は幾たびもこの地を訪れており、碑には「いづこにも湯が噴きいでて流れゐる谷間を行けば身はあたたかし」と刻まれています。
 
 
   
     
   
     
   
     
   
  西の河原の露天風呂
男女合わせると500㎡もある大きな露天風呂で、訪れたこの日は周りの紅葉を愛でながらのんびり浸かって過ごしました。ちなみに入湯料は大人600円で、金曜日は混浴の日となっています。
 
 
 
 



鬼の相撲場の碑

講演の一番上まで来ると鬼の相撲場の碑があります。碑には詠み人知らずの狂歌「見渡せば 山の谷まの川ふかし こわくも鬼のすもう場にせん」と刻まれています。
 
   
  公園の西端は国道292号線の天狗山通りに繋がっています。通りの西側は湯気が立ち込めておりその先を見ることができません。地図で調べるとこの先には万代鉱源泉があるとなっていて、その源泉の温度は95℃以上もあり、毎分6200ℓも噴出しているとのことです。 
 
 
   
   
   
 
 

 草津温泉の地図
 
      
     
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