香嵐渓と足助の街並み(2014.11.18撮影) 豊田市足助町にある香嵐渓、矢作川の支流である巴川と飯盛山がつくる渓谷で紅葉の名所として知られています。 香嵐渓の歴史は古く足助にある香積寺の住職が寛永11年(1634年)に巴川から香積寺にいたる参道に楓や杉の木を植えたのが始まりとされ、その後足助の住民たちがイロハカエデ、ヤマモミジ、ウラゲエンコウカエデ、オオモミジ、コハウチワカエデ等の楓の木を植え足して現在のような約4000本ものカエデによる見事な景観ができあがったとのことです。「香嵐渓」の名前の由来は昭和5年(1930年)に「香積寺の香、山中に発する山気すなわち嵐気」から「香嵐渓」と名付けられたものです。 訪れたこの日は前日泊まった岡崎のホテルを8時に出発しちょうど9時ごろ到着して観光開始、見頃にはちょっと早いもののそれでも6、7割の色づき具合でした。 |
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足助の街並み 信濃への伊那街道、美濃への美濃街道、そして尾張への伊保街道、岡崎への足助街道(七里街道)の中継地として古来より政治・軍事・交通の要衝として足助川の右岸に発展した町である足助は江戸時代の一時期には足助藩がおかれていたこともあります。 物資の中継地としても栄えた足助町を最も象徴するのが「塩」で、播磨、三河から運ばれてきた塩はここ足助で各地の塩を混ぜ合わせて品質を整え、運送しやすくするため俵を改装し、「足助塩」、「足助直(あすけなおし)」という銘柄として伊那地方に運送していました。運送は宿場ごとに荷を付け替える必要のない「通し馬」あるいは「付け馬」とも呼ばれる「中馬(ちゅうま)」の方式で行われたため伊那街道は別名中馬街道とも呼ばれ、現在では「塩の道~中馬街道」として日本風景街道のひとつに登録されており、平成23年(2011年)6月には愛知県としてはじめて重要伝統的建造物群保存地区に登録されています。 注:日本風景街道は道路ならびにその沿道や周辺地域を舞台に、多様な主体による協働のもと、景観自然、歴史、文化等の地域資源や個性を活かした国民的な原風景を創成する運動を促し、観光の振興や地域の活性化に寄与することを目的として国土交通省が推進しているもので現在全国で134ルートが登録されています。 |
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常夜燈 飯田街道から足助の街中に入る角には秋葉山詣での参詣人の安全を図るために講中の人々が寄進して寛政11年(1799年)に造られた常夜燈があります。 |
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町を見下ろす真弓山には戦国時代にこの地を治めていた足助鈴木氏が築いたとされる真弓山城(足助城)があったとのことで、現在では「城跡公園足助城」として公開されています。 | ||||||||||
足助川に架かる飯盛橋には見事なツタモミジの紅葉が見られます。 | ||||||||||
足助八幡宮 天武天皇の時代の白鳳2年(673年)に創建されたといわれている古い歴史のある八幡宮で、品陀和気命(応神天皇)を主祭神としており、「足助」の名から旅行、交通安全、足等に関すること全般に御利益があるとされています。 |
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お締め 毎年10月の第2土曜、日曜に開催される足助祭りで火縄銃の鉄砲隊による発砲が行われますが、鉄砲打ちのお守りのようなもので、暴発しないようにという願いがこめられて鉄砲につけているものです。 |
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鳳来寺山 香嵐渓からバスで約2時間新城市にある鳳来寺山に到着です。ここ鳳来寺山も紅葉の名所とのことですが、一部が色づいているものの鳳来山東照宮や鳳来寺のあたりはまだまだという感じでした。 |
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鳳来山東照宮 三代将軍徳川家光が東照宮の創祀を計画し造営を開始し、四代将軍家綱の時代の慶安4年(1651年)に社殿が竣成しており、拝殿と透塀に囲まれた奥に本殿と幣殿があります。 |
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拝殿(重要文化財) |
透塀(この奥に本殿と幣殿があります。いずれも重要文化財) |
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鳳来寺本堂 鳳来山東照宮から歩いて約5分のところにある鳳来寺は大宝2年(702年)に利修仙人が開山したと伝えられる真言宗の寺院で、江戸時代には東照宮の造営もありいくつもの僧坊が建てられ、多くの参詣者が訪れていたとのことですが、明治時代の神仏分離の影響を受けて衰退し、諸僧坊も度重なる火災と明治以降の窮乏で廃絶となり現在残っているのは2堂宇だけとなっているようです。 この本堂は昭和49年(1974年)に再建されたものです。 われわれはバスで駐車場まで行きましたので10分くらいで本堂まで来ることができましたが、駐車場がない時代は1425段の石段のある参道を登ってきていたようです。(バスガイドさんの話では参道を登ってくると4時間もかかるとか) |
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